Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

時に貴殿のは」

竜之助の武蔵太郎、これも如法に見納めて、

「切れそうだ、だいぶ血を嘗めとるな」

「今日も一つ、嘗め損うた」

「それはこっちの言うことじゃ」

二人は面を見合って笑う。壮士のは、明けっ放しの笑い方、竜之助のは苦笑い。

「なんにせよ、二つの獲物を取って押えたのは俺が棒の手柄」

商人体の変人は、座敷の隅の棒を横目で見ながら言い出すと、壮士は、

「あれは何だ、不思議な棒だな」

「このごろ大阪の相撲どもが、毛唐の足払いと名づけて拵えよる、それを一本貰うて来た」

「ドレ、見てやる」

壮士は、立ってその棒をさげて来た――これは力士小野川が水戸烈公の差図により、次第によらば攘夷のさきがけのためとて、弟子どもに持たせた樫の角棒。

うちとけて三人は飲み合って、最初になすべきはずのを、いざ別るる時になって名乗り合ってみると、壮士の言うには、

「拙者は薩州の田中新兵衛」

田中新兵衛は飄然として、どこへか行ってしまった。

あとに残ったのは竜之助と、かの変人、実は変人でも愚物でもない、水戸の人で山崎譲。新徴組の一人で、香取流の棒をよく使います。竜之助とは江戸時代からの知合いで、はからずあの場へ来合わせて仲裁を試みたもの。