Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「松と申します」
「年はいくつだ」
「当ててごらんあそばせ」
「十六から八までの間、違いなかろう」
「そんなことでございましょう」
「生れはどこじゃ」
「西国でござります」
「西国は」
「巡礼の札所でございます」
「なに?」
お松も人に慣れて、このごろではあまり物に怖じなくなった。そこへ、
「芹沢先生、お流れを頂戴致しとうござんす」
罷り出たのは小野川秀五郎。
「やあ、小野川か、それ」
盃を抛ってやった。
「時に芹沢先生」
小野川は芹沢の前へ膝をすすめて、
「承われば先生には水戸の御出生。水戸と聞いて、この秀五郎もお懐しゅうござんすわい」
「貴様も水戸生れか」
「生れは違いますが、畏れながら烈公様に、一方ならぬ御贔屓を受けておりまするからに、水戸と承われば、どうやら御主筋のような気が致しまするで」
「なるほど、貴様は烈公の御機嫌伺いに出かけるそうな、ちっとは儲かるか」
「儲かると言わんすのは……」
小野川はムッとする。
「うむ、水戸はいったい吝なところじゃ、家中を廻り歩いてもトンと祝儀が出まい」
「芹沢先生、ちっと話が違います」
「違うとは何だ」
「世間には左様な真似をして歩くものがないとは限らん、わしは、それが嫌いじゃ」