Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
まるきり執念のない者と、どこまでも執念の深い者は、どちらも始末に困ります。
金蔵の執念は、とうとうここまで来てしまった。慄えながら鉄砲の覘いをつけているところを見ればおかしくもあるが、面の色を真蒼にして命がけの念力を現わしているところを見れば、すさまじくもあります。
「モット落着いて……馬の腹を覘え、馬の腹と人の太股を打ち貫く気組みで……まだまだ、ズット近くへ来た時でいい」
傍で力をつけている人相の悪い猟師は、最初に金蔵に鉄砲を教えた惣太とは違います。惣太は飲んだくれであったけれど、これほどの悪い度胸はない。
これは針ヶ別所というところに住んでいて、表面は猟師、内実は追剥を働いていた「鍛冶倉」という綽名の悪党であります。
金蔵が、この鍛冶倉の乾分となったのにも相当の筋道があるけれどそれは省く。
「お豊、いいあんばいに、お天気じゃ、今夜は内牧泊りとして、それまでに夕立でも出なければ何よりじゃ。おお、吉田様が見えない、どうなさった」
薬屋源太郎は、あとをふり返って囁くと、お豊は、
「どうなさいましたでしょう」
「馬の草鞋でも解けたのであろう。馬子さん、少し静かに歩かせておくれ」