Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
余「謝さねば私が相手ですよ」と云って余は益々堅く彼の手を握り緊めた、彼は少し立腹の体で有ったが此の様な優さ男、素より余の力に敵し得る筈はない、夫でも勇気ある男なら真逆に黙して止む事は出来まいに、彼は存外臆病な男と見え「イヤ、貴方が爾までに仰有れば謝しますよ、謝しますよ」とて秀子に向い「実に無礼を致しました、何うか此の場限りにして下さる様、只管に謝罪します」と云って極り悪げに行って了った。
余は秀子の手を取って、慰さめ慰さめ家の方へ帰ろうとした、若し是が余でなくて叔父だったら秀子は必ず昨夜の様に取り縋って泣き、顔を余の胸へ隠すだろう、真に泣き出しそうな顔をして居る、けれども真逆に余に縋り附く訳に行かぬ、唯手を引かれたまま首を垂れて居る、余は実に断腸の思いだ、憐みの心が胸一ぱいに湧き起った、殆ど我れ知らずに片手で秀子の背を撫で「秀子さん貴女は迚も独りでは此の様な敵に中る事は出来ません、私に保護させて下さいな、深い仔細は知りませんけれど此の後とてもお独りでは心細い事ばかりだろうと思われます、保護する丈の権利を私に与えてさえ下されば」