Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

次第が分る、お浦に逢い度くはないが其の次第だけ知り度い。

併し猶能く考えて見ると、お浦の紛失よりも余の怪我の方が一入不思議だ、アノ室にはアノ時余の外に誰も居なんだ、今思うと刺される前に余の背後で微かな物音が聞こえたかとも思うけれど、刺された後で逃げ去る人の姿さえ見えなんだ、宛も壁から剣が出た様に思った、果して壁から剣が出れば剣の出る丈の穴が壁になくては成らぬけれど無論其の様な穴はない、爾すれば余を刺したのは目に見えぬ幽霊の仕業か知らん、昔から奇談は多いが、目に見えぬ一物に刺されたと云う事は聞かぬ、既に是だけの不思議な事が有って見ればお浦の身体が消えたのも怪しむには足らぬ。

其のうちに叔父は医師と共に又上がって来た。医師の診断に由ると、余の傷は剃刀よりも薄い非常に鋭利な両刃の兇器で刺したのだと云う、其の様な刃物が何所にあるだろうと聞くと、昔伊国などで、女の刺客が何うかすると此の様なのを用いたが、極めて鋭いから少しの力で人を刺す事が出来るけれど、其の代り創口が余り微妙で、出血が少いから急所さえ外れて居れば存外早く直る、余の怪我も大事にすれば一週間で床を離れる