Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
けれど、第一に余の目に映じたは、壁も柱も、異様に動いて居る一条だ。
余は此の様な有様を見た事がない、壁の表面、柱の表面、総て右往左往と動き、静かな様で少しも静かでない、殊に天井の下に横たわって居る梁などは恰で大きな巨蛇が背の鱗を動かして居るかと疑われる許りだ、余は自分が眩暈でもする為に此の様に見えるのかと思い、暫し卓子へ手を附いて居ると、何やらソロソロと手へ這上った者がある、払い落して宜く見ると二銭銅貨ほどの大きさのある一匹の蜘蛛である。ハテなと更に壁に寄って見たが、何うだろう壁一面に細い銅網が張ってあってその中に幾百幾千万とも数の知れぬ蜘蛛が隊を成して動いて居る、壁その物は少しも見えず唯蜘蛛に包まれて居ると云う有様だ、壁の所々に棚もあり穴もある様だけれどその棚その穴悉く蜘蛛に埋められて居るのだ、養蟲園と云い蜘蛛屋と云う名前で凡そ分って居る筈では有るが、実際是ほど蜘蛛を養って居ようとは思わなんだ、又蜘蛛が斯うまで厭らしく恐ろしく見える者とは思わなんだ、勿論蜘蛛は見て余り気持の好い者ではないが併しその一匹や二匹を見た