Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
為に此の様な秘密の仕掛を作って置いたのだ、夫を医学士が利用して、今まで幾人の命を奪ったであろう、実に残忍極まる奴等だ、夫にしても何が為にアノ白痴を此の仕掛けで殺しただろう。殆ど鶏を割くに牛の刀を以ってする様な者だと、余は少し怪しんだが、アア分った、彼等は此の寝台に白痴が寝て居ようとは思わず、全く余が寝て居ると思ったのだ。
余は其の穴へ近づいて下を瞰いたが、真っ暗で何れほど深いか更に分らぬ。仕方なく手に有る燃え残りの燐燧を其のまま落して見ると、凡そ二丈ばかりの深さはあるかと思われる。燐燧は光を放ちつつ落ちて妙な音がして消えて了った。是で見ると下は水だ、何でも古井戸の様な者で、白痴は余の身代りと為り其の中へ入って水死したのだ。
実に可哀相な事をした、と云って此のまま居れば遠からず人違いと云う事が分り、彼の医学士が驚いて何の様な事をするかも知れぬ、成るにもせよ成らぬにもせよ、何とか此の室を出る工風をせねば成らぬ、彼が充分に用意して、余を殺し直しに来るのを便々と待って居て耐る者かと、余は全く死物狂いになった。勿論何所から逃げると云う見込みはないが、聊か便りとするは寝台の枕許に当る