Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
手段を得たいとはいえ、真逆に死に掛って居るという我が叔父の顔をも見ずに出発するわけにも行かぬ。叔父の目の覚めるまでは何うしても待って居ねばならぬ。
待つ間を、秀子の室に行ったが、探偵の云った事を其の儘秀子の耳に入れる訳には行かぬ。御身は果たして前科者なるやと、茲で問えば分る事では有るが、余の口が腐っても其の様な事は能う問わぬ。前科者でないに極って居るのに何も気まずく問うに及ばぬ、又茲で逃亡を勧めるのも最と易い、けれど是も必要のない事だ、潔白と極って居る者に、逃亡など勧める馬鹿が有る者か、其の潔白の証拠を集めるのが此の巴里行の余の目的ではないか。
余は唯秀子に向い、何も彼も余が引き受けたから少しも心配するに及ばぬ、親船に乗った気で居るが好いとの旨を、繰返し繰返して云い聞かせた、秀子は誰一人同情を寄せて呉れる者のない今の境涯に、此の言葉を聞き深く余の親切に感ずる様子では有るが、併し親船に乗った気には成れぬと見える、兎角に心配の様子が消えぬ。
其のうちに叔父が目を覚ましたと、女中の者が知らせて来た。余は秀子に向い、止むを得ず巴里へ行くけれど一夜泊で帰ると云い猶留守中に何事もない