Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
所業を許して呉れようとて、余に許しの言葉を掛けたのを余が雀躍して飛び附きはせずに却って顔を反したのだから怒るのも無理はない、之を怒らねば秀子でない、秀子以下の女である、けれど又其の怒りを陽に現わすのも秀子でない、秀子以下だ、秀子は再び何にも云わぬ、唯静かに手燭を取り上げた、余は今更熱心の色を示されもせず唯当り前に「ドレ私が送りましょう」と云った、秀子は実に冷淡である、唯「イイエ、独りで歩まれます」此の一語が余に対して生涯の勘当状である、余も単に「爾うですか」と味のない返事をしたが、此の時初めて、秀子の愛を失うが何ほど辛いかと云う事を思い知った、今までとても権田の条件に服して以来秀子を失わねば成らぬ者と幾度か嘆きは嘆いたけれど実際に秀子の愛を失うたのは今が初めてである、全く余が心は宇宙の太陽系統から太陽を引き去った様に、最暗黒と為って了った、滋味もない露気もない、此の後の生涯は、生涯の搾滓である、人間一人が生きながらの搾滓と為って了ったのだ、清風も有り清水も有り、萠え出る草の緑も咲き盛る花の紅も有る絶景の沃野を通り盡して索々の沙漠に入った