Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

積りで居たが、声の麗しさに、聊か気抜けがして柔しくなり、「今し方、大時計の針を動したのは貴女でしたか」

と、問いつつ熟々其の姿を見ると、顔は声よりも猶麗しい、姿も婀娜として貴婦人の様子が有る、若し厳重に批評すれば其の美しさは舞楽に用ゆる天女の仮面と云う様な塩梅で、生きた人間の顔としては余り規則が正し過ぎる。三十二相極めて行儀好く揃って居る。若しや此の女は何か護謨ででも拵え屈伸自在な仮面を被って居るのでは無かろうか、併し其の様な巧みな仮面は未だ発明されたと云う事を聞かぬ。愈々之が仮面で無くて本統の素顔とすれば絶世の美人である、余は自分の女房にと叔父や当人から推し附けられ、断り兼ねて居る女は有るけれど、断然其の女を捨てて此の女に取り替えねばならぬ、と殆ど是ほどまでに思った。真逆に此の天女の様な美人が今まで主人無しに居る筈も無く、縦しや居たとてそう容易く余に靡く筈は無く、思えば余の心は余り軽率過ぎたなれど、此の時は全く此の様にまで思った、夫だから此の美人の顔が仮面で有るか素顔で有るか、物を云う時には看破らんと、熱心に目を光らせて待って居ると、美人は少し余の様子を頓狂に思ったか笑みを浮べて、