Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate

Aozora Bunko

そうして、私は心の中で、先妻の死霊と、それの乗りうつっている三毛とを呪いました。若し三毛がその時家の中にいたならば、きっとたたき殺したにちがいないと思うほど憎悪の情に駆られました。

私は彼女の死体を八畳の室に運ばせました。この室は縁側がついていて前に可なりに広い庭を控え、彼女が生前一ばんすきな室であったからです。私は障子を取り払って彼女を庭の方へ向わせ、香を焚きました。香の煙が流れて、庭の新緑の木の葉のまわりにただよった有様は、今でも忘れることの出来ぬ悲痛な印象を与えました。

それから私は親戚のものたちと葬式その他の準備の相談をすべく別室に集りました。すると程なく店のものがあわてて私のところへ飛んで来ました。

「旦那大へんです、三毛が庭へ姿を見せましたよ」

これをきくと同時に、私の憤怒の血は一時に逆上しました。私は三毛に復讐するのはこの時だと思い、奥の間へ行って、村正の刀を取り出しました。そうして死人の室の襖をあけますと、驚いたことに三毛は死体の上に、どっしりと蹲まっておりました。

私はさっと刀を抜きました。三毛は私の殺気を認めたのか、ぱっと飛び出して、庭の上に走り降りました。