Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
愈々大学を卒業するなり私は生理学教室に入れてもらい、主任教授の許可を得て、人工心臓の研究に取りかかりました。私は事情あって、在学中に結婚しましたが、自宅から大学へ通う時間が惜しいので、主任教授の許可を得て、教室内の一室に夫婦で止宿させて貰いました。妻も私の研究に非常に興味を持ち、私の助手として働いてくれました。私たちは朝夙くから夜晩くまで働きました。市中とはいい乍ら、広い大学の構内の夜は森閑として、天井の高い研究室に反射する瓦斯灯の光は、何となく物寂しさを覚えしめましたが、実験動物を中に挟んで、希望に輝く眼をもって、にっこり顔を見合せるとき、私たちは、いつも、測り知れぬ喜びに浸りました。実験が思わしく進まぬとき、屡ば私は徹夜して気むずかしい顔をしながら働きましたが、そのようなとき妻もまた徹夜して、どこまでも私の気を引き立てるようにつとめて呉れました。幾度も失敗に失敗を重ね、殆んど絶望の淵に沈もうとしたとき、私を救い、力づけて呉れたのは妻でした。妻が居なかったならば、到底人工心臓の発明を完成することは出来なかったでしょう。その妻も今ははや死んで居りません。