Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
無論、男には自然に出来た痣と見えたでしょう。その眼に、初めてはげしい恐怖の色があらわれました。呼吸が急に大きくなり、同時に、上体を後ろにまげて、危うくよろけようと致しましたが、その時世にも恐ろしい唸り声を発して、ぱっと私をめがけて飛びかかって来ました。
私はその時彼が胎児を奪うつもりかと思って、伸した腕をつと引きましたが、その途端、石のような男の拳が空間を唸って、私の左の頬に当ったかと思うと、私は人事不省に陥って、胎児を捧げたまま、解剖室にたおれてしまいました。
その時に出来たのがこの痣です。
男はそのまま発狂して、今は精神病院に居ります。然し彼は遂に女殺しの犯人であることを自白しませんでした。コールタールで出来た痣は、無論胎児と共に消滅しましたが、私の痣はその後消えませんし、無論男の痣も消える筈はありません。で、私はこの残された二つの痣が消えるまで、私の考案した法医学的拷問法を中止することに致しました。