Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
然し、強いて御聞きしなくてもよいのです。ただ、私はあなたのためにどこまでも忠実な助力者でありたいのです。何とかして、真犯人を見つけて、あなたに覆いかぶさろうとする疑雲を散らしたいと思うのです。あなたが何の用事で、又、如何なる事情のもとに大平家をたずねなさったかをたずねる必要はありません。ただ、あなたが悲鳴をあげなすって……私はただ直感的に悲鳴をあげたのはあなただと思うのですが、それから戸外に走り出されるまでの事情だけをきかせて頂けばよいのです」
気がつくと女は、しきりに手巾で涙を拭って居た。康雄はいささか狼狽した。
「これは申し訳ないことをしました。何も私は、あなたを苦しめるつもりはなかったです。許して下さい」
「いいえ」と言った女の声は、はっきりして居た。「そうではありません。御親切を思って、つい……」
「それでは私の願いをきいて下さいますか」
女はじっと考えて居た。
「お話しになりにくいかも知れませんから、私から一つ一つ事情を推定して御たずねしましょう。大平さんは、昨夜、何かあなたを苦しめるようなことをしたのですか」
女の顔はその時たしかに紅みを加えた。