Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
「ええっ」と、康雄はびっくりした。
「いえさ、もとより、その場に居合せた訳ではありませんが、犯人ではないかと思われる人を見たので御座います」
「そうか、一通り事情を話しとくれ」
「こうなんで御座います。今私が附添って居る息子さんは、胸の病をわずらって見えますが、夜分はどうもよく御やすみになれないので、たいてい、午前の三時頃までは、私も起きて居るので御座います。今はちょうど、患者さんが眠って見えますので、こうして戸外へ出た訳で御座いますが、昨夜、十二時頃、お隣りで、甲高い女の声がきこえました。それきり静かになりましたので、別に怪しみもしなかったのですが、それから十五分ほど過ぎて、はばかりにまいり、何気なく、窓から、お隣りの裏庭を見ますと、一つの黒い人影が、頻りに庭の上をさがして居るようでありました。もうそのとき月は西にはいって居たらしゅう御座いますが、人影だけは、くっきりわかりました。暫くの間、その人は捜しつづけて居ましたが、とうとうあきらめたと見えて、逃げるように去ってしまいました」
「男か女か」
「年寄った男の人で御座いました」
「え? 本当か」
「たしかに、そうでした。