Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
とうとう、兎にも角にも彼女に逢った上のことにしようという気になってしまったんです。
犯人の推定や図書館通いに、凡そ二週間ばかり費し、ある晩ひょっこり彼女をたずねましたら、彼女は顔色をかえて、「身の上ばなしをしたから、それで厭気がさして来なかったのでしょう」と私を詰りました。で、私は「お前の両親を殺した犯人を捜して居たんだ」というと、彼女は「嘘だ嘘だいい加減の出鱈目だ。あなたに捨てられたなら、私はもう生きて居ない」といって泣き叫びました。泣いて泣いて、どうにも手がつけられぬので、私はとうとう「その証拠に、犯人が知れたよ」と口を辷らしてしまったんです。
それから彼女が、どんなに、犯人をきかせてくれと、私にせがんだかは御察しが出来ましょう。仕方がないので、私は、私の見つけ出した刑法の条文を、手帳の紙を破って、鉛筆で書いて、これを読めばわかるといって投げ出しました。
彼女は、むさぼるようにして、それを読んで居ましたが、何思ったか、その紙片を、くしゃくしゃに丸めて、急ににこにこして、私の機嫌をとりました。私は頗る呆気ない思いをしました。
床へはいってから、彼女は、「ねえ、あなた、わたしがどんな素性でも、決して見捨てはしないでしょう?」