Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate

Aozora Bunko

そうして、あなたも、私と同じように、なるべく私に覚られまいと苦心して御いでになったかと思うと、何だか笑いたいような気になって来ます。あの時、二人が潔く打あけ合って居たら、どんなにか、心を軽くすることが出来たであろうにと、今更残念がっても致し方が御座いません。

それにしても、あなたが、私と同じように潔く秘密を御打ちあけ下さって、私に是非共帰って来るようにと仰せ下さることは、あなたを御慕い申し上げて居る私にとって、どんなに嬉しく且つ恥かしいか、到底筆紙のよく尽すところでは御座いません。両親もほっと一安心致しましたが、御仲人様に対しては急に御挨拶も出来ず、一先ず帰って頂いて、こうして私が、あなたのうれしい御言葉に対して、胸を躍らせながら、御返事を認める次第で御座います。

二人とも片眼を失った不具者であるということは、却って二人の仲をかたく結び付けるよすがとなるかも知れません。ただ二人の間に出来る子供のことを思うと、さすがに恐ろしいような心持になりますが、必ずしも不具ものが生れて来るものとは限りますまいから、さほど心配するには及ぶまいかと思います。秘密を包んで持って居る間は、少しのことでも心配の種となりますが、秘密を打あけて了解を得た暁は、むかしの取越苦労をむしろ笑いたいような気になるものです。