Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
のだ。僕は、ここに、致死量のストリヒニンを含む丸薬を二粒持っている。これから、二粒の丸薬を二人でのもうと思うのだ。君にだけのませて僕がのまぬということは卑怯だからねえ。だが、僕は君と一しょには死にたくはないよ。僕は君に、ストリヒニンでは僕が死なぬということを見せ、君の苦しんで死んで行くところを思う存分にながめたいのだ。そうして勝利の快感が味わいたいのだ。何しろ、それのために、僕は一ヶ月間、世間と交渉を絶って、苦しい実験をして来たのだからねえ」
こういって、彼はポケットから、小さなガラス壜を取り出した。彼はそれを病人の顔の近くへもって来て振った。壜の中では、二つの白い丸薬が仏舎利のように、乾いた音をたてて転った。
「さあ、これから、二人で、これを一つずつのもうよ」
いいながら男は、その壜を床頭台の上に置いた。
さっきから、病人はその眼をきょろきょろさせるばかりであったが、この時細い声を出した。舌が自由に動かぬと見えて、言葉がはっきりしなかった。
「まあ君、そんなに急ぎたまうな。僕はいつでもその毒薬をのむよ。僕は喜んで君の手に殺されよう。君に殺されりゃ、本望なのだ。