Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate

Aozora Bunko

と同時に恐怖の光が両眼にさっと走った。

「どうした君」と病人は叫んだ。「さては君、致死量のストリヒニンでも死なぬ体質を作ったというのは嘘で、僕と一しょに死ぬつもりだったのか。君にも、そんなやさしい心があったのか。それじゃ早く僕は君に話せばよかった。僕は爆烈弾のハヘンで鳩尾を破られ、その結果食道瘻が出来たのだ。食道の孔が、腹の表面と交通し、食物を口から取っても、腹の表面へ出て、口は用をなさなくなったのだ。だから、今まで僕は滋養灌腸で生きて来たのだ。君が今のませた丸薬と水は、腹にあててある繃帯が吸い取ってしまったのだよ。君、僕は君の心を卑怯だと誤解したために、このことをいわずに居たのだ。堪忍してくれ、君が死んでは、折角の僕の死期が失われてしまう。君。毒のまわらぬ先に早く僕の咽喉をしめて殺してくれ。おい君!」

立って居た男は、その時どたりと床の上にたおれた。そうして、苦しそうにうめきながら、手にした小壜をながめて、何かいおうとしても、言葉が咽喉につかえて出ないらしかった。病人は、必死の努力をもって、頭をもたげてその様子をながめたが、やがて、頭を振向けて、床頭台の方を見るなり、恐ろしい声で叫んだ。