Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
「大へんなオアシスだこと!」こう呟いて由紀子は吹き出したくなった。鴨居の上には二段にして、くるりと四方へ、種々雑多な煙草の空箱が積みならべてあった。突き当りの袋棚の下の縁板の上には夜具が敷きっ放され、唐草模様の更紗のカーテンが半分ほど引かれてあった。
由紀子は入口の閾に棒立ちになったまま、暫く室内を見まわしたが、ややあって、薬袋を本箱の上に見出したので、爪先ではいりながら、なるべく歩かないように、白い腕をのばして取り上げた。
すると、ちょうど、その下の、スクラップブックにしては小さ過ぎる、黒鞣皮の表紙の本に目がとまった。由紀子はふと好奇心に駆られてその表紙をはぐと、
「犯罪の魅力は生命の魅力にまさる」
と、筆太に記され、次の新聞の切抜が貼られてあった。
火薬爆発して生命危篤
愛猟家の奇禍
三日午後六時頃府下大崎町桐ヶ谷×番地無職近藤進方にて轟然たる音響が起り同時に窓より朦々たる白煙の噴出するのを通行の者が認め直ちに駈附けたるに同家の主人にして愛猟家たる近藤進(三〇)は全身に大火傷を蒙りて書斎の床上に打ちたおれ苦悶中なりしをもって即刻附近の医院に舁ぎこみて応急手当を施したるも顔面及び上半身は火薬の爆発によりて目も当てられぬほどの惨状を呈し生命危篤なり原因その他に就ては目下取調中