Classici giapponesi con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Leggi 支那游記 (「しなゆうき」) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.859 caratteri · 105 schermate
上海の大馬路はパリのようである。北京の文華殿にもルウブルのように、贋物の画などは一枚もない。――と云うように感服していなければならぬ。しかし廬山に一週間いるのは単に感服しているのよりも、遥に骨の折れる仕事である。私はまず恐る恐る、主人に私の病弱を訴え、相成るべくは明日の朝下山したいと云う希望を述べた。
「明日もうお帰りですか? じゃ何処も見られませんぜ。」
主人は半ば憐むように、又半ば嘲るようにこう私の言葉に答えた。が、それきりあきらめるかと思うと、今度はもう一層熱心に、「じゃ今の内にこの近所を御見物なさい。」と勧め出した。これも断ってしまうのは虎退治に出かけるよりも危険である。私はやむを得ず竹内氏の一行と、見たくもない風景を見物に出かけた。
主人の言葉に従えば、クウリンの町は此処を距ること、ほんの一跨ぎだと云うことである。しかし実際歩いて見ると、一跨ぎや二跨ぎどころの騒ぎではない。路は山笹の茂った中に何処までもうねうね登っている。私はいつかヘルメットの下に汗の滴るのを感じながら、愈天下の名山に対する憤慨の念を新にし出した。名山、名画、名人、名文――あらゆる「名」