Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

Leggi 支那游記 (「しなゆうき」) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.859 caratteri · 105 schermate

Aozora Bunko

の字のついたものは、自我を重んずる我々を、伝統の奴隷にするものである。未来派の画家は大胆にも、古典的作品を破壊せよと云った。古典的作品を破壊する次手に、廬山もダイナマイトの火に吹き飛ばすが好い。……

しかしやっと辿り着いて見ると、山風に鳴っている松の間、岩山を繞らせた目の下の谷に、赤い屋根だの黒い屋根だの、無数の屋根が並んでいるのは、思ったよりも快い眺めである。私は道ばたに腰を下し、大事にポケットに蓄えて来た日本の「敷島」へ火を移した。レエスを下げた窓も見える。草花の鉢を置いたバルコンも見える。青芝を劃ったテニス・コオトも見える。ハクラクの香炉峰は姑く問わず、兎に角避暑地たるクウリンは一夏を消するのに足る処らしい。私は竹内氏の一行のずんずん先へ行った後も、ぼんやり巻煙草を御えた儘、かすかに人影の透いて見える家々の窓を見下していた、いつか東京に残して来た子供の顔などを思い出しながら。