Classici giapponesi con furigana
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うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.938 caratteri · 67 schermate
胴の間に仰向けで、身うちが冷える。唯、野宿には心得あり。道中笠を取って下腹へ当がって、案山子が打倒れた形でいたのが。――はじめは別荘の客、巽辰吉が、一夜の宿をしようと云った、情ある言を忘れず、心に留めて、六が此処に寝たのを知って、(船に苫を葺いてくれるのじゃないか。)と思った。
舷へ、かたかたと何やら嵌込む……
その嵌めるものは、漆塗の艶やかな欄干のようである、……はてな、ひそめく声は女である。――
うまれながらにして大好物。寝た振でいて目を働かすと、舷に立かかって綺麗な貝の形が見える、大きな蛤。
それが、その貝の口を細く開いた奥に、白銀の朧なる、たとえば真珠の光があって、その影が、幽に暗夜に、ものの形を映出す。
「芸妓が化けたんだ、そんな姿で踊でも踊っていたろう。」
時に、そんなのが一個ではない。左舷の処にも立っている。これも同じように、舷へ一方から欄干らしいものを嵌めた、かたり、と響く。
外にもまだ居る……三四人、皆おなじ蛤の姿である。
「祭礼の揃かな、蛤提灯――こんなのに河豚も栄螺もある、畑のものじゃ瓜もあら。……茄子もあら。」
但しその提灯を持っているものの形は分らぬ。