Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うきふね

文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集

泉 鏡花

Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.938 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

電は些と気が無えがね、二見ヶ浦は千畳敷、浜の砂は金銀……だろう、そうだろそうだろ然うであろ。成程どんどん湧いていら、伊良子ヶ崎までたっぷりだ。ああ、しかし暑いぜ。」

腕まくりを肩までして、

「よく皆、瓦の下の、壁の裡へ入ってやがる。」

瓦の下、壁の裡、別荘でも旅館でも、階下も二階もこの温気に、夕凪の潮を避け、南うけに座を移して、伊勢三郎が物見松に、月もあらば盗むべく、神路山、朝熊嶽、五十鈴川、宮川の風にこがれているらしい。ものの気勢も人声も、街道向は賑かに、裏手には湯殿の電燈の小暗きさえ、燈は海に遠かった。

六蔵ニヤニヤと独笑して、

「お寝間のお伽もまけにしてと――姉さん、真個かい、洒落だぜ洒落だぜ洒落じゃねえ。入らっしゃい、お一方、お泊でございますよ。へい、お早いお着様で、難有う存じます。これ、御濯足の水を早くよ。あいあい、とおいでなさる。白地の手拭、紅い襷よ……柔な指で水と来りゃ、俺あ盥で金魚に化けるぜ。金魚うや、金魚う。」

と可い気な売声。

「はてな、紺がすりに、紺の脚絆、おかしな色の金魚だぜ。畜生め、鯰じゃねえか。刎ねる処は鮒だ奴さ。鮒だ、鮒だ、鮒侍だ。