Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うきふね

文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集

泉 鏡花

Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.938 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

待って一人、二人ずつでないと、怪しい席へ入らなかった、――そのために事が起ったのである。

さて、濡縁なりで、じかに障子を、その細目にあけた処へ、裾がこぼれて、袖垣の糸薄にかかるばかり、四畳半一杯の古蚊帳である。

「……ゆきかえりに、潜らせようッてつもりですが、まあ、あとで中を御覧なさい。」

そう言って、幹事の白尾は、さらさらと蚊帳を押しながら、壁を背高く摺って、次の室へ抜けて行く。……続くと、一燭の電燈、――これも行燈にしたかったと言う――朦朧として、茄子の牛が踞ったような耳盥が黒く一つ、真中に。……青く錆びたわたしを掛けて、鉄漿壺を載せ、羽毛楊枝が渡してある。……横斜に、立枠の台に、円形の姿見を据えた。壺には念入りに鉄漿を充してあるので、極熱の気に蒸れて、かびたような、すえたような臭気が湧く。

「巫女の言ぐさではありませんが、(からのかがみ)と云った方が、真個は、ここに配合が可いのですが、探した処で磨がないでは、それだと顔がうつりません。――いろいろ凄い話を聞いて、ここへ来て、ひょいと覗く。……こう映ると……」

首を伸ばした白尾に釣られて、斉しく伸ばした頸を、思わず引込めて真三は縮まった。