Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「なにをにらむのさ。口惜しいのはゆうべの木戸銭をみんなフイにしたわたしの方だよ。こんな仕置ぐらいではまだまだこっちの腹が癒えるもんかね! そうだ、そこらにいるご贔屓の皆さん、さだめしあなた方も、このヘボ警吏には日ごろ憎い恨みがあるんでしょ。石でも泥でもみんなしてこいつにぶっつけておやんなさいよ。手を叩いて笑ってやるがいいわよ。こんな生れ損い!」
と、紅唇をひるがえしてケシかけた。
するとふいに、走り出て来たひとりの老婆が、彼女の胸をどんと突いて、泣き声交じりに烈しく叫んだ。
「売女め! 自分の臭い身をかえりみたがいい。人の子をつかまえて、生れ損いとはよういえたもんじゃ」
「あらっ。……あら、あら、よくやったね。いったいおまえはどこの山出し婆さんだえ。いいえさ、どこの馬の骨なのさ」
「わが身はこの雷横の母じゃ。生れ損いを産んだ母じゃ。けれどな女子、わしはまだそなたのような淫な売女風情を子にもったことはないぞえ」
「なんだって。もういちどいってごらん」
「言わいでか。紅白粉を塗りたくって、さも艶めかしゅうしていやがるが、一ト皮剥けば、その下は貉か狐とも変りはなかろう。