Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
――ここらは余り人通りもなしと、朱同はてんぐるまの坊ッちゃんを肩から降し、橋の欄干に立たせて後ろから抱きささえていた。
「さ。なさいませ……。ホラ、ホラ、ホラ、下は紅蓮白蓮の花ざかりですよ。観音様のオシッコみたいでさ。蓮の花や葉の上に、瑠璃白玉となって、オシッコがすぐ成仏しているでしょ。ネ……お坊ッちゃま。……さあもういい。もう出ないんでしょ」
すると、誰か。
朱同の後ろへ来ていた男が、
「兄弟。ちょっと、彼方の森の蔭まで、顔を貸してくれないか」
「えっ……?」と振向いて。「おおっ、君は」
「叱ッ。ここでは人目につく。話は彼方で」
「うむ、合点だ。そうそうもしお坊ッちゃまえ。いま小父さんのお友達が、御用があって来ましたから、ちょっくら行って参りますからね。……あれ、ベソをお掻きになっちゃいけません。すぐです。すぐ戻って来ますから、ここでおとなしく蓮の花でも見ていらっしゃいよ。ようございますか」
言い残すやいな、池塘を駈けて、彼方の森の中に人目を避け、
「雷横! どうして君はここへ来たのか」
「朱同! よかったなア、まず無事で。――じつはあれから、君の情けで、母とともに梁山泊へ落ちてゆき、お蔭でこちらの身はひとまずおちついたが、しかし忘れられないのは君のことだ」