Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

あの人の安否を確かめろ」

宋江は厳命した。急務はそれだった。たたかいの目的はそれだったのだ。

しかし、柴進の安否は全然つかめなかった。城内の大牢雑牢、地下または高楼、監禁されていそうな箇所はおよそ隈なく捜査したが見あたらない。牢番獄卒どもは、逃げ散ッていたし、牢舎中の囚人七、八十人の首カセや鎖を解いてやって、これにも質したが知る者はない。

ただ三日目に、柴進の眷族十数人が、発見された。思いがけない林の中で、急造らしい板屋葺の監房に押しこめられていたのである。ここには番人どももまだ残っており、その中のひとり藺仁という老吏から端なくこんなことが聞かれた。

「……さよう。なにさま、思い当りがないでもございませぬ。……あれはもう七日も前、ここのお城もあぶないような噂でしてな、わしらもオロオロしている日のこと。お奉行の腹心がたが、大牢から引きずり出したとみえる一人の囚人をしょっ曳いて、林のおくの方へ入って行きましたのじゃ。ヤレヤレ斬られるのだナと、怖い物見たさで、そっと遠くから見ておりますると、その辺はひどく昼でも陰気な場所でしてな、きっと首を斬るのが不気味になったのかもしれません……その衆たちで何か囁いていたと思うと、近くにあった空井戸の中へ囚人を抛り込んで、そのまま立ち去ってしまいましたのじゃ。