Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
すなわち、船を捨てて飛びこんだ水中の影のうちには、水を潜ること河童のごとき阮ノ三兄弟もいたのである。船底へくぐって栓を抜いたのももちろんこの者ども。そのため、溺れ去る官兵はかず知れずだが、そんな者には目もくれはしない。かねて目ざしていた凌振が、覆ッた船から泳ぎ出したのを見るが早いか、
「おッと。この人、この人」
とばかり、阮小五、阮小七、阮小二また張順、張横らまで寄ッてたかって、水中の珠奪り争いみたいに、凌振の体を手捕り足捕り捉まえてしまい、そしてやがてのこと、水寨の岸で水を吐かせると、すぐ山のうえへと、わっしょ、わっしょ、かつぎ上げて行ったのだった。
一時、したたかに水を呑んで、昏々の状におちていた凌振だったが、はっと気づくと、ここは宛子城中の一閣、賊寨の聚議庁、たしかに、虜囚となった自分に相違ない。
「しまった!」
一方の扉を蹴って、外へ躍り出ようとすると、
「轟天雷、どこへ」
と、目の前に立っていう者がある。
「やっ、君は」
「彭だ。まあ慌て給うな」
「かねて君も賊の捕虜になっていたとは知っていたが」
「それでだ、話がある。――じつは統領の晁蓋、宋江、そのほかのお頼みで、君を説いてくれとのこと。