Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
無理するこたアありませんぜ。なにもお坊ンさんは、三国の劉備玄徳の忠臣でも親類でもねえんでしょ。およしなさいよ不恰好だから。それより飛びきり上等のはがねがございますから、水磨仕立てで六十二斤ぐらいなところはどうです」
「むむ、その辺で折り合ってやるか。相談はついた。おいいっしょにこんか、親方」
「へ。どちらへでござんす」
「火祝いに、一杯飲ませてやる。どこか馴じみの家へ案内しなよ」
「ま、どうかお気楽にお一人で。――それよりはお坊ンさん。錫杖は五両かかります。どうかお手付の銀でも、ひとつ」
「け。ケチなことをいうな」
なにがしかの小粒銀を投げ与えて、智深はゆらりと鍛冶の軒を煙といっしょに外へでてくる。そして街をぎょろぎょろ見廻した。
酒屋の軒を覗き廻ること二、三軒。どこでも例外なくお断りを食った。そこでついに街はずれまででてしまい、ふと見ると破れ廂から、酒と書いた旗をだしている一軒がまたあった。立ち寄れば、牛の屎まじりの土墻に、誰のいたずらか“李白泥酔ノ図”といったような釘描きの落書がしてある。
「……いや、おもしろい絵だな。いや、おれも一つ、あれくらい酔ってみたい」