Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

癰だったのだ。癰といえば、命とりである。呉用は愕然として言った。

「夢はまぎれもなく正夢だ。梁山泊へ帰れとのお告げなのにちがいない。ここにいては宋先生の治療もかなわず、全軍もまた危殆に陥ちよう。すわ大事、すわ大事」

俄に全軍、引揚げと急にきまった。けれど、梁山泊にも名医はいない。医師はどうするか? 評議となった。

すると、浪裏白跳の張順が、その役目を買って出た。――自分の郷里、潯陽江のちかい所に、江南随一というはれもの医者が住んでいる。そいつを捜して、梁山泊へ連れて行きましょう、というのだった。

「おお、そんな名医がいるならぜひ行ってくれい。一日も早くだ。手違いのないように」

と、呉用は彼に、かねで百金、路銀三十両をあずけて、その場から西へ立たせた。――そして即日、戦野の幕舎千旗を払って退却に移ったが、北京府の城内では、この変を知っても、たびたび奇計に懲りていたので、

「またも騙しの手か?」

と、狐疑したままで、ついつい、追撃にも出ずにしまった。

一方は、旅を急ぐ一人の男、張順。

幾十日の風雪を凌いで、やっと揚子江のほとりに出ていた。この日も雪は梨の花と散りまがい、見れば、江岸の枯れ芦の叢から、一ト筋の夕煙が揚っている。