Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「そうお礼ではいたみ入りますよ」
「ふン。真にうけてるよ、この人は」
「どうか、ゆっくりと、今夜一ト晩は、噛みつくなりとも舐めるなりとも、痴話口説のかぎりをおやりなさるがよい」
「よけいなお世話というもんよ。……そんな粋に気がつくなら、おまえさんこそ、さっさと消えて行ったらどう?」
「なるほど、そいつア一本参った。……では安道全先生、また明朝」
と、眼で念を押しながらひきさがった。男として胸くその悪さといったらないが、ここが我慢のしどころと、婆やにまで、小馬鹿にされされ、火の気もない小部屋にもぐって、寝込んだのだった。
すると、ま夜中すぎである。いちど、しいんと寝しずまったはずなのに、どこかで人のささやく声がする。そして中庭越しの向うの部屋には明りが灯いた。
「……はてな?」
油断のできる体ではない。張順は中庭へ潜んで窺ッていた。情人でもないらしいが、酒肴が運ばれてゆく。客はつまりこわもての客とみえ、婆やもなかなか気をつかっている。
「あら、いやだ。張旺さんたら、妬いてるんだね。いいえ、巧奴姐さんは、すぐ来ますからさ」
「だれだい。奥へ来ている旦つくッてえな、巧奴の情人か」