Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
任原もつづいて言った。
「不戦勝ちの只貰いでは、あっしも張合いがねえし、あれへ山と積まれた賞品のお贈り主にも申しわけがごわせん。誰か、この任原へ当ッて来るご仁はないか」
行司がまたいう。
「ここには、南は南蛮、北は幽燕の境におよぶ所までの、相撲好きという相撲好きはお集まりのはず、従って、われと思う大力の衆も必ず中にはいようというもの」
「ええ、焦れッてえ!」と、任原はついに持ち前の豪語のありッたけを吐いた。
「こわいのか。たった一人の角力取りが。なるほど、天下無双の任原と聞いては、皆の衆のオジ毛立つのもむりはないが、なにも、相手と見たらみな腕を折ッぴしょッたり血へどを吐かすとは限っていねえ。よい程にもあしらッて進ぜますだ。こんなに言っても出て来ねえのか。いやさ相手はいないのか」
すると、どこかで。
「ここにいる!」
「やっ、何か言ったな?」
「ここにいるといったのだ。やい任原、あまり世間に人もないような大言を吐ざくなよ」
そのとき、舞台横の小高い所から、人のあたまから頭をまたいで、泳ぐように進んで来た者がある。はやくも床下柱から勾欄をよじ登って来て、
「さあ来い、任原」