Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
それへ答える前に、彼がひそかに思うには。
これはみな、宋朝腐爛の悪世相が、下天に描きだしつつある必然な外道の図絵だ――。これを人心の荒びと嘆くも、おろかであろう。
単に、悪を悪と見なすなら、悪の密雲は、上層ほど濃い。上層ほど、大きい。しかも、政治にかくれ、権力にものをいわせ、公然と合理づけた悪を行って、恥ずるを知らない。
それに反して、民土の悪は、おおむねが小悪だ。生きるために。また、いささか生命を愉しむために。共通の人間欲のために。あるいは、反逆のために。
わけて今は、反逆の徒が多い。虫のわくごとく地にこれをわかせたものは、宋朝自体の腐土ではないか。“この世をば我が世”と思い上がっている貴紳大官ではないか。
梁中書、蔡夫人。蔡大臣。それらも、驕慢星の二タ粒三粒だ。
それにたいし、地にはいつか、上層の驕慢星に闘わんとする反逆星が、宿命したのはぜひもない。
この地星(まがつぼし)はもとより庶民の土を藉りて住み、悪行いたらざるなき悪戯星の性は持つが、しかし、いささかの道義は知り、相憐れむの仁を抱き、弱きはこれを虐げず、時に、漢と漢とが、ほんとに泣き合うことも知っている。