Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

「あははは。ありッこねえや。そんな人は」

「いやさ、もしあったらば」

「それや、いわずと知れている。漢が漢とゆるしあうことでしょ」

「そうだ」

「そんなら、水火も辞しません」

「ならば改めて、君たち三兄弟に、ひきあわせたい人がここにある。どうだ会ってみないか」

「だれです、それは」

「ここからわずか数十里、東渓村の名主をしている晁蓋だが、これは山東河北きッての人物とわしは平常、観ておるが」

「あ。托塔天王とアダ名のある荘院さんですか」

「知っているのか」

「いや、聞いているだけです。――義に厚く、侠につよく、たいそう金ばなれもきれいな人とは伺っておりますが」

「なにを隠そう、じつは今度のわしの用向きというのは、その晁蓋から頼まれて、或る一用を帯びて参ったわけじゃが」

「では、なんですかい。金鯉十尾ご入用とかって仰っしゃったのは、嘘なんですか」

「方便じゃよ。方便はゆるしてくれい。なんとなれば、君たち兄弟の腹の底を見とどけぬうちは、めッたに口を割れぬ秘密なのだ。しかし、いまはもう寸分、君たち三名の義を疑ってはいない」

「どういうご相談事なので」

「くわしくは、その晁蓋と君たちが、義の杯を結んだうえで打合せるが、かいつまンでいえば、一世の大金儲けと、悪政府の大官を膺懲しようという快事だ。