Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「五貫とお負けしておきましょう。ここはまだ半道だから、足賃なしに」
兵たちはコソコソ首を集めあった。鼻のさきに餌を置かれた餓鬼の眼つきといった形である。喉が鳴る。鼻がピクつく。とうとう小銭の音をさせ始めた。懐中を合せて、買おうという相談になったらしい。
さっきから、じろと睨んでいた楊志は、いきなり山刀を鞘ぐるみ腰から抜いて、ずかずかと立っていき、刀の鐺で、桶を叩いた。
「こら、きさまらは、これを買う気か。――買って呑む気か」
「銭はわしたちのものですぜ」
「金はともかく、誰のゆるしを得たというのだ。ツケあがるな、こいつら」
「ツケあがるわけじゃありませんが、旦那も人間なら、お察しなすっておくんなさい。もう意地にも我慢にも……。これを見て飲まねえじゃあ、妄念が残って、腰も上がりませんや」
「ふざけるな、がつがつと、哀れな餓鬼声を出しゃがって、よく耳の穴をほじッて聞けよ。道中売りの酒なぞは、ただの旅でも、滅多に意地汚ねえ涎など垂らすものではないわ。そんな浅ましい欲心のために、まんまと、しびれ薬で根こそぎ懐中を抜かれたなどの例が、どれほど多いか、知らぬのか。心得のない奴らだ」