Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
高も、そっと、それらの薫袖のなかに立ちまじって、よそながら見物していた。
すると今、一と競技終ったらしく、次のどよめきの後から、端王の姿が“懸ノ木”の下に立つのが見えた。――見るからに軽快な鞠装束である。薄紗の唐巾で髪をとどめ、袍(上着)は白地きんらんに紫の繍の華文、袂に飛龍をえがかせ、鳳凰靴(くつ)を足にはいておられる。そして、相手方の備えを見て、
「よいか」
と、いったと思うと、いま、懸りの中央へ、侍者が据えた鞠へむかって、つかつかと進み出られた。
位階に従って、まず高貴な人から、第一を蹴り、以下順々に、二座三座四座と、八本の“懸ノ木”に備えている敵手へ蹴渡してゆくのである。さすが、端王の技は、皇族らしくきれいで、しかも、受けにも渡しにもそつがなかった。
ところが、どうした過ちか、一人の靴先から外れた鞠が、いきなり見物の方へ飛んできた。
「ア。あぶない」
頭上に見舞われた人々は、群れを割って、こけ転んだ。しかし、ちょうど近くにいた高は、得たりとばかり跳び寄って、ぽーんと、その鞠をはるか端王の方へ、蹴わたした。
「おっ、見事」
彼方で谺のように声がした。