Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
遠くに、たくさんな牛の鳴き声がするし、釜屋や下男の長屋には、炊の煙がさかんで、何百人もの傭人が、がやがやいっているようでもある。いわゆる、負傭鶏犬も食に飽き、富戸は子孫に足り、書庫には万巻の書を蔵す、といったような趣があった。
「……旅のお人。お待たせしました。さあ、どうぞ」
出てきた小僕の姿に。
「や。お泊め下さるとか」
「はい。おあるじへ、老母をつれて行き暮れた旅人ですと、申しあげたら、それはさぞかしお困りであろうと」
「かたじけない。では、ご好意にあまえて」
王進は、外へ馳け出して、すぐ母の手をひいてきた。小僕は、親切に、
「馬は、そのままにしておかっしゃれ。おらが、飼糧をやっておくから」
家の者、みな、その小僕のように、あたたかであった。
湯浴み、食事なども、終ってから、王進は、荘主の太公に会った。折れ頭巾をかぶり、白髯は膝にたれ、道服に似たものを着、柔かそうな革靴をはいている。
「延安へ行かっしゃるお商人と聞いたが、ご老母づれではたいへんじゃな」
「いや、都ではすっかり資本を失いましたので」
「ははは。宿賃がないというご心配じゃろ。それくらいなら泊めはせん」