Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「……旦那。……もしえ旦那。うまくお口にあいますかしら」
「オ、梅湯か。ム、たいそう薫りがいい、酢味もちょうどだ。ところで婆さん、梅っていう字は楳とも書く。楳の意味はまた、媒人にも通じるッてね」
「やはり旦那は旦那。味なことを仰っしゃいますこと。婆には学問のことはなにもわかりませんけれどさ」
「文字の講釈などいってるんじゃない。おまえを楳と見立てていったんだ」
「あらいやだ、旦那はいつのまにか、わたしの内職までご存知なんですね。……だって仕様がございませんものね。こんな人通りの少ないところの安茶店じゃ、正直食べても行かれやしません。暇にまかせて、こっそり妾のおとりもち、出逢い茶屋まがいのチョンの間貸し、そんなことでもしてお小費いをいただかないことにゃあ」
「なるほど、看板にはないが、ここは梅湯、生姜湯のほか、和合湯の甘ったるいのもございますッていうわけか」
「旦那へも、その和合湯をトロリと一服おいれいたしましょうか」
「婆さん、さすがだ、おれの渇きは、もう読めたな」
「この年ですよ。そんなことぐらい読めないでどうするもんですか。……けれども旦那え、チョンでも馬鹿でも、亭主ってものが、にらんでいる花ですからね。