Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
そして、その間髪に、逃げようとするのを追って、
「うぬっ」
武松の短剣が彼の脾腹を突き抜けていたかと見えた。
ところが、刹那は逆な危機に変った。身をひねった西門慶の片脚が、予測し得ぬほど長く伸びて、槍のように、武松の顎の下を一蹴したのである。ために、武松はふた足ほどよろめいたが、
「味な真似を」
とばかり、ふたたび三度、短剣の突きをくりかえした。しかし、室内ではあり、足元の悪さに、またしても西門慶の一蹴が成功して、彼の剣は蹴落され、剣は氷片のごとく、欄を越えて、どこかへ素ッ飛んだ。
相手の素手を知ると、西門慶はもう武松を恐れなくなった。また、自己の足業にも自信をもった。だが、これは彼の誤算である。むしろ武松にとっては、素手で組んだほうが始末がいい。いくら西門慶が死にもの狂いになッたところで、しょせん景陽岡の虎ほどなことはない。当然その帰結は、そう長くもない格闘のすえ、勝負の上にあらわれた。――あッ、と天井のへんで西門慶の叫んだ一と声が彼のさいごであったのだ。
武松は、暴れ廻る相手の体を両手で高くさしあげていた。そして往来に面する欄から、
「えいっ、これでもか」