Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
どうか兄さんの霊も、行く所へ行って、安らかに眠ってください」
それから彼はまた、従卒にいって、二階へ閉じこめておいた人々を下へ呼び降ろした。
「ご近所の衆、どうも、とんだご迷惑やら、暇つぶしをおかけして、申しわけございません。……ごらんの通り、骨肉の怨み是非なく、兄貴のかたきを討ちとりました。これから手前は、おかみへ自首して出ます所存」
「…………」
連中はただ生唾呑んで聞いているばかりだった。まるで地底のようである。
「ついては、ご近所の衆。兄貴の祭壇は、ただいま裏で一切焼き捨てさせますが、貧乏世帯ながら、この家の家財、ありとあらゆるがらくたまで、すべてはどうぞみなさんでお頒けなすっておくんなさい。もしまた、手前が自首した後で、みなさん方へ証人の呼び出しでもかかった場合は、どうかそんな雑費の足し前にもなすって」
かくて武松は、わざと生かしておいた王婆を自分で引っ立てて、県の白洲へ名のッて出た。
すでに町中は坩堝のような騒ぎである。知県の役署でも、はや獅子橋畔の事件は知っていたし、刑事役人は、諸方へ飛んでいたことだから、手順、取調べなども、なに一つさし障りはない。