Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
だからこのご婦人は放してやってくれ。たのむ」
こうまでいわれては、矮虎も不承不承、指を咥えてあきらめるほかはない。もちろん燕順も白面郎も切にそれをすすめ、気まずいながら、事はやっと一段落を見たかたち。
女は身づくろいもそこそこ礼をくり返して轎のうちへ入る。轎夫も九死に一生をえた思い。肩を入れるやいな、飛ぶが如く山をくだって行く――。
さて此処、清風鎮の街は、はや宵過ぎの灯であった。
いやその城外まで轎が馳けまろんで来ると、彼方から七、八十人の兵隊が、何かわいわい騒ぎながら疾走して来た。兵は口々に轎を迎え、
「やあ、ご夫人だ、ご無事にもどった」
「おお奥方には、なんのお怪我もしていない」
夫人は、良人の部下と知ったので、
「おまえたちは、私を案じて、探しに来てくれたのかえ?」
「そうです!」異口同音に兵たちは「いやもう、劉長官のご心配ッたらありません。――夜に入っても帰らぬからには、清風山の賊に引ッ攫われたに違いないと仰っしゃいましてね。おかげでわれわれどもは、なにしておるかと、恐ろしいお叱りを食い、万一があったら兵長は縛り首、兵一同は減俸だと呶鳴りつけられました」