Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「あっ、ご婦人は」
「そうれごらんな。よくも山寨でさんざんわたしを脅したね。ほかに三名の頭目もいたが、たしかおまえが一番敬われていたっけね。大親分はお前なんだろ」
「とんでもない。奥方! あなたこそ、何かお忘れではありませんか」
「なにをさ! 馴々しいことをお言いでない」
「賊首の三名を説いて、あなたを救って上げた覚えはあるが、大親分などとは迷惑千万です。恩人の私へ、なぜ悪名を押しつけねばお気がすまないのでしょうか」
「まあ、しらじらしくいうわね! あなた、とてもこんな人非人、一ト筋縄では白状しそうもありませんわ」
「いや、吐かせてやる。者ども、こいつを打ちのめせ」
と、あたりの部下に命をくだした時である。門の衛兵が馳けて来て、
「ただ今、花長官の使いがまいって、ご返辞をお待ちしています」
と、一書を彼の手に捧げた。
「……ふむ」と、ひとまず鼻息をひそませて、彼が読みくだしてみると。
昨夜お手にかかって貴邸に捕われたと聞く劉丈は、わが家の身寄りにて、最近、済州から来た者です。田舎者とて何か尊威を犯したかもしれませんが、平常のよしみ、偏にお目こぼしにあずかりたく、いずれ拝面、万謝申しあげますが、懇願までを。