Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「日は長い! 御用とお急ぎでなくば、この男の前口上はさておき、次の芸当の奥伝までも、ゆっくりごらんあっていただきたいもの。……さて、てまえ何処の者とご不審あろうが、猿でもない狒々でもない、人間さまであることはお見届けのとおりとござい。ご当地へは初めてのこと。あれなる槍や棒をつかって秘術のほどをごらんに入れよう。したが身過ぎ世過ぎとなれば、槍では食えんし棒では腹も張らぬわけ。――では何で食う? あれなる膏薬を売らずばならない。きりきず、やけど、うちみ、何にでも効くこと奇妙不思議な神薬! いやそれはただで差上げよう。ただし、これだけのお立会い残らずへは回りかねる、おぼしめしでいい、前芸の見料として寸志のご喜捨を下された方々へ膏薬一貼、いやお志の多寡によっては、何十貼でもさしあげる。よろしいか。さあ、いかほどなりと、ご喜捨ご喜捨」
盆をつき出して、一ト巡り、いや二た巡りも何回も、見物人の輪の前を、ぐるぐる歩き初めたが、さて鐚一文も盆の上にはこぼれなかった。
あまりな白けかたに、宋江はふと気のどくになって一粒の銀を、ぽいと彼の手の盆へのせてやった。
「オヤ、これは五両」