Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
しかも流罪人の筆だ! 奇っ怪しごく」
彼は手を鳴らして、女中、帳場を呼びつけ、これを壁書きした客の年齢人相などを問いただし、そして「城県人宋江作」の署名も写しとって、晩を待った。いや船に寝て、翌朝を待った。
ここらが彼の奸佞なところである。果たして、奉行の蔡九は、ご機嫌すこぶる斜めであった。
「これ黄文、昨夜見えよと申したのに、なぜ儂を待ちぼけさせおったぞ」
「は。申しわけございませぬが、天下の大事にふと心を悩まし、また万一の間違いでもあらぬよう、その下調べに、奔命いたしておりましたので」
「はて。今朝はよく、天下の大事という声を耳にする日だな」
「ほ。何ぞお手許へも」
「いやじつは、父の蔡大臣からご飛脚があって、ちかごろ都の太史院天文監が、こう申しているとあるのだ。……北斗の星、呉と楚の地を照らし、その色赤し、おそらく謀反の徒のおこる兆しならんかと」
「なるほど」
「また、開封東京のみやこ童の間にも、
山はひがしよ
三十と六つ
家木はみだすよ
水と工と
そんな意味もわからん謎めいた童歌が、近来しきりに流行っていると申す」
「いや、恐ろしいものです」
黄は、膝をたたいて言った。