Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「この悪玉め。この兄までを、悪党仲間へ引き込むつもりでいるのか。おお、お尋ね者を届け出なかったら、後日、村の衆までみんな罪に問われよう。たとえ弟野郎でも、このままにはしておけぬ。おふくろっ、李逵を逃がしなさんな」
いうやいな、兄の李達は、外へ走り出して行った。日頃、雇われている地主屋敷へわけを告げて、荘家の若者大勢を引きつれ、再び、わが家へ引返して来たのであった。
ところが、すでに老母の姿も李逵の影も家には見えない。そして銀子五十両が、詫びるように、仏壇においてあった。これには李達も心を打たれ、さては弟もほんとに前非を悔いて来たものとみえる。このぶんでは老母を托しても心配あるまい。――そう思い直したとみえて、
「みなさん、せっかくお助太刀を願いましたが、弟野郎は、逸早く風を食らって、ごらんのように、もうここにおりません。なにしろ素迅い奴ですから、きっと、他県へ高飛びしてしまったんでしょう。いまいましいが、今夜のところは、ひとまずおひき取りなすって」
と、一同へ詫び、一同もまたぜひなく、やがてぞろぞろ帰ってしまった。
――げにや、一方の李逵は、その跳ぶこと、まさに飛獣のようだった。