Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
お鳥のいる家はじきに知れた。大きい木戸から作り庭の燈籠の灯影や、橋がかりになった離室の見透されるような家は二軒とはなかった。お庄は店頭の軒下に据えつけられた高い用水桶の片蔭から中を覗いて、その前を往ったり来たりしていたが、するうち下足番の若い衆に頼んで、お鳥に外まで出てもらった。やがてお鳥は下駄を突っかけて料理場の脇の方から出て来た。
その家は仲見世寄りの静かな町にあった。お鳥は花屋敷前の暗い木立ちのなかを脱けて、露店の出ている通りを突っ切ると、やがて浅黄色の旗の出ている、板塀囲いの小体な家の前まで来てお庄を振り顧った。お庄は片側の方へ寄って、遠くから入口の方を透し視していた。
裏から入って行くと、勝手口は電気が薄暗かった。内もひっそりしていて、菰被りの据わった帳場の方の次の狭い部屋には、懈そうに坐っている痩せた女の櫛巻き姿が見えた。上に熊手のかかった帳場に、でッぷりした肌脱ぎの老爺が、立てた膝を両手で抱えて、眠そうに倚りかかっていた。
お鳥は女中を一人片蔭へ呼び出すと、暗いところで立ち話をしはじめた。そうしてから外に立っているお庄を呼び込んだ。