Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

お銀は一晩気味悪がっていたが、笹村もあまりいい気持がしていなかった。そして甥が行李の底に収っていた白鞘の短刀を捜したが、それは見つからなくて、代りに笹村が大切に保存していたある人の手蹟を留めた唐扇などが出て来た。

笹村の従弟にあたる甥の義兄が、賺して連れて行ってからも、笹村の頭には始終一種の痛みが残っていた。変人の笹村は、従弟などによく思われていなかった。

「あの方は、新ちゃんのことをそんなに悪くも思っていないですよ。」

お銀も二人を送り出してから、それを気にしていた。

友人がお銀のことについて、笹村の意嚮を確かめに来たのは、そんな騒ぎがあってから間もなくであった。それまでに二人はたびたび顔を合わして、そのことを話し合っていた。笹村は相変らずM先生の仕事を急いでいたが、別れる別れぬの利害が、二人のあいだにしばらく評議された。

「僕の母なぞは別れるのは不賛成なんだが、とにかく子供のあまり大きくならんうちに片づけてしまいたまえ、手切れさえやればむろん承知するよ。それも君の言う半分で、大抵話がつこうと思う。」

世故に長けた友人は、そう言って下宿を出て行った。