Classici giapponesi con furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Leggi 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.079 caratteri · 102 schermate
心ありそうに、そうすると直ぐに身を引いたのが、隔ての葭簀の陰になって、顔を背向けもしないで、其処で向直ってこっちを見ました。
軒下の身を引く時、目で引つけられたような心持がしたから、こっちもまた葭簀越に。
爾時は、総髪の銀杏返で、珊瑚の五分珠の一本差、髪の所為か、いつもより眉が長く見えたと言います。浴衣ながら帯には黄金鎖を掛けていたそうでありますが、揺れてその音のするほど、こっちを透すのに胸を動かした、顔がさ、葭簀を横にちらちらと霞を引いたかと思う、これに眩くばかりになって、思わずちょっと会釈をする。
向うも、伏目に俯向いたと思うと、リンリンと貴下、高く響いたのは電話の報知じゃ。
これを待っていたでございますな。
すぐに電話口へ入って、姿は隠れましたが、浅間ゆえ、よく聞える。
(はあ、私。あなた、余りですわ。余りですわ。どうして来て下さらないの。怨んでいますよ。あの、あなた、夜も寝られません。はあ、夜中に汽車のつくわけはありませんけれども、それでも今にもね、来て下さりはしないかと思って。
私の方はね、もうね、ちょいと……どんなに離れておりましても、あなたの声はね、電話でなくっても聞えます。