Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate

Aozora Bunko

……これを人に観るとなおさらあわれ人間と思わずにおれぬ。二十歳にして志をいだき、三十にして立ち、四十にして何とか申しても、壮気と欲情は伴うものだ、どうしてわれら凡人が、私利私欲を離れ、まったく滅私の自分になりきれよう。一瞬とか、非常とかの場合はべつである。平常無事のあいだでは難かしい。……けれどよくしたもの。ようやく、齢もかさみ、天命を知り、やがてわが身も咲いた花のごとく、散らんとするときを覚ってくると、人も自然に花粉を地上にこぼしたくなるものだ。本能とでも申すものか)

かく正直にいって、

(だから人間が、ほんとうに、わたくしなき、きれいな奉公なり仕事なりができるのは、隠居の後かもしれん)

と笑って、

(――というて、壮年や初老のうちでは、真にわたくしなき奉公ができんというのでは決してない。ただ、そのわたくしが、年とともに追々違って来るのを感じるのである。青年、壮年期のわたくしには、どうしても旺んなる功利や欲情が交じって燃える。老境にはそれがひとりでに淡々となるに過ぎない。……偉くなってゆくんでも何でもないのじゃ)

ここでまた一笑を加え、さらに次のように述懐した。